骨盤矯正について

来院された患者さんからよく
「骨盤や背骨が歪んでますか?」
「骨盤矯正で腰痛良くなりますか?」
と聞かれますので、お答えしたいと思います。

よく巷の接骨院や整体院などで施術メニューとして取り入れている骨格矯正には、骨盤矯正、不妊や産後の骨盤矯正、瘦せる・小顔になる(?)といった美容目的の骨盤矯正など色々あるようです。
他にも脊柱の矯正などの施術法を取り入れているところもあります。

骨盤矯正が必要な理由は?

「土台である骨盤に歪みやズレがあると、脊柱も歪む。その歪みやズレでバランスが悪くなり、肩こりや腰痛の原因になる」のだそうですが……。

そもそも、「骨盤が歪む」「ズレる」のは本当?

骨盤には、仙腸関節という関節があります。
仙腸関節とは仙骨と腸骨の間にある関節のことです。昔は、仙腸関節は不動(動かない)の関節と言われていましたが、いつしか動くとされるようになりました。ただし動くと言っても、ほんの2~3ミリ程度しか動きません。
また、仙腸関節は強力な靭帯でつなぎ留められているので、事故のようなよほどの衝撃でもない限り、2~3ミリ以上動くことはありません。

仮に、仙腸関節に2~3ミリの歪みやズレが生じても、病院で行うレントゲン検査では分かりません。
レントゲン検査で分からないのですから、骨盤矯正を行う先生が体を触った程度では、仙腸関節の歪み・ズレは分かるはずもありません。

骨盤が歪んで見える・ズレて見えるのはなぜ?

接骨院や整体院などに行って姿勢の撮影をしてもらい、「骨盤の歪みやズレで左右の足の長さが違っている」と指摘されたことはありませんか?
そこで撮影をした画像を見ると、確かに骨盤が歪んでいるように見えるかもしれません。

しかし、それは「骨盤の仙腸関節の歪みやズレ」によるものではありません!
骨盤に付着した筋肉や周囲にある筋肉が縮んで骨盤自体を引っ張り、様々な方向に傾きや捻じれを引き起こしているから、そう見えているだけなのです。

脊柱の矯正について

骨盤同様に、脊柱を矯正する施術も多くあります。
押したり、引っ張ったり、捻ってボキボキしたり、器具(ハンマーなど)を使う、体を揺らすなど、さまざまな治療法があるようです。

脊柱は、椎骨として頸椎7個、胸椎12個、腰椎5個の計24個が積み上げられ、尾側に仙骨と尾骨がついた合計26個からなる、柱のような構造をしています。
この脊柱について、「歪みやズレが神経を圧迫し腰痛や痛みが出る」さらには「その影響で内臓の働きも悪くなる」と言っている人がいます。

一般的に知られている、ボキボキする矯正を例にしてお伝えします。
押したり、引っ張ったり、捻ったりと圧が掛かると、「ボキボキ」と音がします。
ボキボキする矯正を受けるのが好きな方は分かると思いますが、凄く爽快感や満足感が得られます。そして、歪んだ骨が元に戻った気がします。

このボキボキ音の正体は、関節内部を満たす液が気化した、気泡が弾ける音だと言われています。決して、歪んだ骨が元の位置に戻るということではありません。
これはレントゲンでの検査でも証明されています。

先ほど「骨盤の歪みは縮んだ筋肉が引き起こす」とお伝えしましたが、脊柱の歪みについても同じことが言えます。

歪み、痛みを改善するには、筋肉にアプローチを!

良い姿勢を保つためには、上の図にある「抗重力筋」という筋肉がとても大事です。
関節は筋肉が伸び縮みをすることで動いていますが、その筋肉が固くなり縮んでしまうと関節の動きが悪くなり、さらには骨格も歪んでしまいます。
歪みや痛みを改善したいなら、筋肉を緩めましょう。